1960年から最近の新潟に係わる地震状況

最大震度 Mj
1961 2 2 長岡地震 4 5.2
1964 6 16 新潟地震 5 7.5
1971 2 26 上越地震 4 5.5
1983 5 26 日本海中部地震 5 7.7
1995 4 1 新潟県北部地震 5 5.6
2004 10 23 中越地震 7 6.8
2004 10 27 中越地震※1 6弱 6.1
2007 3 25 能登半島地震 6強 6.9
2011 3 11 東日本大震災※2 7 8.4
2011 3 12 長野北部地震 6強 6.7
2011 10 3 富山東部群発地震 3 5.4
2014 11 22 長野北部地震 6弱 6.7
2019 6 18 山形県沖地震 6強 6.7
2023 5 5 能登半島地震 6強 6.5
2024 1 1 能登半島地震 7 7.6

※1:魚沼震源
※2:以後の余震については割愛


 記憶に新しいところでは先日の「令和6年能登半島地震」です。新潟市中央区でも過去に経験したことのない震度5強でした。

 果たして私たちは正しく地震に備えているのでしょうか?そもそも震度とかマグニチュードとは?

👉新潟市の令和6年能登半島地震の対応状況

◇ 震度とは?

 気象庁のHPによれば、

 震度はかつては体感および周囲の状況から推定していましたが、阪神淡路大震災以後の平成8年(1996年)4月以降は、 計測震度計により自動的に観測し速報しているもので、気象庁が発表する震度は、 気象庁、地方公共団体及び国立研究開発法人防災科学技術研究所が全国各地に設置した。 震度観測点で観測した震度です。

と、されています。ちなみに新潟市の震度計は次の処に配置されています。

  • 東区  新潟空港・新潟航空気象観測所(新潟市東区松浜町)震度計・地震計
  • 中央区 新潟地方気象台(新潟中央区美咲町)       震度計・地震計
  • 中央区 新潟(新潟市中央区入船町)           津波観測所
  • 秋葉区 新潟秋葉区程島(新潟市秋葉区程島)       震度計
  • 西蒲区 新潟西蒲区役所(新潟市西蒲区巻甲)       震度計

 また民間気象会社のウェザーニュースの震度計は

  • 中央区 美咲町
  • 中央区 白山公園
  • 中央区 関屋浜
  • 東区  東区庁舎
  • 東区  新潟空港
  • 北区  北区庁舎
  • 江南区 江南区庁舎
  • 南区  南区庁舎
  • 秋葉区 秋葉区庁舎
  • 秋葉区 下越病院
  • 西区  西区庁舎
  • 西蒲区 西蒲区庁舎
  • 西蒲区 巻体育館

に設置されています。

また震度も以前は0~7の8段階でしたが、現在は0~7の5と6に強弱がつけられ10段階になっています


気象庁HPより

👉震度の算出方法(気象庁HP)


◇ マグニチュードとは?

 上記の「1960年から最近の新潟に係わる地震状況」のMの脇に"j"とついていますが、これは誤字ではなく、 日本の気象庁が使っているマグニチュード計算式、「気象庁マグニチュード」です。
 マグニチュードの算出法は数種類あって、
 ML(ローカルマグニチュード)
 Ms(表面波マグニチュード)
 Mb(実体波マグニチュード)
 Mw(モーメントマグニチュード)
 Mj(気象庁マグニチュード)
があります。

 「マグニチュード」は、地震そのものの大きさ(規模)を表すものさしです。 一方「震度」は、ある大きさの地震が起きた時のわたしたちが生活している場所での揺れの強さのことを表します。
 マグニチュードと震度の関係は、例えば、マグニチュードの小さい地震でも震源からの距離が近いと地面は大きく揺れ、「震度」は大きくなります。
 マグニチュードは、1935年に、アメリカのリヒターによって考案されたものです。当時は「マグチュードスケール」とか 「リヒターマグニチュード」ともよばれていましたが、 後に「ローカルマグニチュード」と呼ばれる様になりました。
震央から100km 離れた地点のある特定の 震度計で計り、その最大の振れ幅 (単位:マイクロメートル) の常用対数をとったものとされます。
対数ですから、 振れ幅が 10倍になるごとに、マグニチュードは、1.0 増えます。
地震が持つエネルギーは、マグニチュードが 1 増えると、 約 32倍になると考えられています。
 また、マグニチュードの大きい地震でも震源からの距離が遠いと地面はあまり揺れなく、「震度」は小さくなります。

 世界基準ではありませんが、アメリカが採用している「Mw」が中心ですが、日本では簡易的に計算ができ、 速報値としてだせる気象庁マグニチュード「Mj」を採用しています。

 当然「Mw」と「Mj」には差異が生じています。東日本大震災の"Mj"は8.4でしたが、後に発表された"Mw"は。9.0でした。
同じく中越地震では、Mj6.8(Mw6.7)、中越沖地震では、Mj6.8(Mw6.7)、そしてこのたびの令和6年能登半島地震は、Mj7.6(Mw7.5)になりました。 ちなみに"Mw"最大だったのは、 1960年のチリ地震で、9.5Mwになります。この地震の大津波でに日本でも多くの死者を出しました。


◇ 液状化

👉新潟県内の液状化しやすさマップ(国交省北陸地方整備局)

 このたびの令和6年能登半島地震でも新潟市西区の液状化が報道されましたが、信濃川流域の善久や、寺尾あたりは元々砂丘地帯で、 液状化しやすい地域でありました。新潟地震でも液状化しましたし、ここ最近の宅地化で目に見えない地域となってきましたが、 液状化しやすい地域であることには変わりが無く、ここにそれぞれ対策が必要でありました。


新潟県内の液状化しやすさマップ(国交省北陸地方整備局)より西区付近を抜粋

 また万代地域も信濃川の流域変遷で生まれた地域ですので、新潟市の中でもトップ10にはいるほどの液状化しやすい地域であります。 また信濃川の河口にも近く、津波による浸食しやすい地域でもありますので、個々に対策と避難が優先される地域でもあります。


新潟県内の液状化しやすさマップ(国交省北陸地方整備局)より万代地域周辺を抜粋

 そもそも液状化とはどのような状態なのか。地震本部のサイトによると、

ゆるく堆積した砂の地盤に強い地震動が加わると、地層自体が液体状になる現象のことです。

👉地震本部~液状化現象

 新潟地域はかつて信濃川から運ばれてきた砂の堆積によって産まれた街ですので、土地全般が砂といっても過言ではありません。

 今回、液状化した地域で交通障害が出ていた地域は、下記の様に西区庁舎付近に集中しています。


新潟市HPより(R.06.01.04時点)

◇ 津波避難


万代地域周辺の津波避難ビル(R.05時点)


◇ 非常持ち出し袋・防災対策グッズ

 「非常持ち出し袋」は、すぐに避難しなければ命に関わるような危機が迫った場合に、 自宅から持ち出すためのもの。一方で「備蓄」は、自宅にとどまる在宅避難を前提として、 家の中に備えておくべきもの。この2種は別物として用意しておくべきものだとおもいます。

 「非常持ち出し袋」に求められているものは、軽量・コンパクト・少量など、持ち運びしやすいアイテムを選ぶことが大事になります。


● 「もう戻れない」覚悟で使う

 どんな状況で持ち出すかの想定は、みなさんの住環境によって大きく変わります。天災による倒壊、浸水、土砂崩れ、火災など。 いずれも家を離れたら最後、もうそこには戻れない可能性があることを想定します。

 避難生活の各場面をイメージしておきましょう。

 あなたの避難生活は、まずは、公民館や体育館などの避難所、ホテルなど宿泊施設、自宅の庭や車中泊、親戚や友人の家などが考えられます。

 報道などで知らされる避難生活での暮らしは、どんな1日を過ごすことになるのでしょうか。朝起きてから夜眠るまでの1日を、 丁寧に追いながらイメージしましょう。季節ごとの対応も必要です。

● 「小分け収納を活用

 持ち出すアイテムは小物ばかり。透明で口が閉じられるフリーザーバッグが使いやすいです。 フリーザーバッグでカテゴリーごとに分けた収納がおすすめです。 中身が見えるので使いやすく、雨などに濡れても荷物が守られます。

● 重いものは上に詰める

 荷物をリュックに詰めるときは、タオルなど軽いものが底のへ、体から遠くなるようパッキングしましょう。 逆に水や缶詰など重いものは上のほう&体の近くに入れたほうがリュックが軽く感じられます。

 リュックを支える肩と重いものの距離が近くなることで、下に引っ張られる感覚を和らげることができます。 重い荷物を長時間背負って歩く、登山などの場面で重宝される荷造りのテクニックと伝わっています。

● 入れたものは記録する

 非常持ち出し袋には、かなりの品数を入れます。いざというとき、何が入っていたか確認する余裕はありません。 「持ち出しアイテム一覧」を用意しましょう。できれば紙にプリントアウトして、リュックの一番上に入れておいて。 スマホ用の専用アプリを使えば、更新しやすくスマートな管理が理想です。

● かならず避難経路上に配置

 非常持ち出し袋は、サッと手に取って家を飛び出すためのもの。かならず避難時に通る、 玄関などの「避難経路」に置きます。押し入れや物置に入れないよう

注意!

手軽さ重視ならセット購入も◎

 防災グッズをひとつずつ揃えるのは面倒……という方は、市販の防災セットを購入してベースにするのもアリ。

防災用品のセレクトショップと災害の専門家が

厳選した、防災グッズ24種類35品のセットがおすすめです。

 オリジナル防災セット「ターミナル」(22,800円/税込)

● あなた専用のベストチョイスを

 最後のリストは「ぜんぶ盛り」の状態。あなたが持ち出すべきものは、周辺環境や家族構成、 年齢や性別や体質や体格によって変わります。あなたにとっての過不足を足し引きして、あなただけのベストチョイスを考えましょう。 これは、市販の防災セットを購入した場合でも同じです。

 以下では、カテゴリーごとの考え方を解説します。

● 避難時に使うもの

 自宅から避難先までの移動をサポートするもの。街灯が壊れて真っ暗だったり、雨が降っていたり、 雪道かもしれません。ヘルメットなどはリュックに入れず、近くに置いておけば十分です。

 応急手当用の救急セット

 災害発生後の3日間は人命救助が最優先されます。命に関わらないケガは自分で対応するしかありません。

 必需品

 あなたの生活に欠かすことができず、ほかでは調達しづらいもの。メガネや補聴器、持病の薬、入れ歯、 サイズの合うオムツ、生理用品など。いまは感染症対策グッズも必須でしょう。

 貴重品

 避難生活を続け、生活を立て直すためのもの。大切な人の写真をプリントしておくと、捜索に役立ちます。 重要書類は普段から1箇所に集めて保管しておき、いざという時まとめて持ち出すのも可能です。 が、やはり非常時は一刻の猶予もないことを考えると、一式コピーを用意しておくことが望ましいでしょう。 避難先で貴重品を身につけておくためのポーチなども忘れずに。現金は小銭や1000円札を多めに用意します。

 情報収集ツール

 避難生活に必要な情報を集めるためのもの。スマホが使えなくなる事態を想定して、 大切な人の連絡先は紙のメモでも用意しておくことを推奨します。乾電池式のスマホ充電器や、 携帯ラジオに使う有線イヤホンなども重要。

 水と食料(最低限1日分)

 避難先で支給される場合もありますが、自衛策として最低限の食料は持ち出します。 とくにアレルギーがある方は、少し多めに用意できると安心。調理不要で軽量なものを中心に。

● 避難生活を支えるもの

 睡眠や衛生面で役立つもの。避難所での睡眠対策(床の冷え・光・音)など、 生活の質に直結するアイテムではありますが、あくまでも命に関わるものが優先。

 もし空きスペースがあれば、汎用性の高いものから選びます。たとえばガムテープは、 敷き物の固定や伝言メモの貼り付け、持ち物の記名、壊れた物の修繕、傷口の止血にまで使用できます。 同様に薄手のストールも汎用性が高くおすすめ。

 衛生・健康面を支えるもの

 睡眠を支えるもの

 快適な生活環境を支えるもの

 夏/冬に使うもの

 季節限定で必要になるものは、夏用と冬用で分けて用意。衣替えの時期に入れ替える習慣にすることで、 ムダなスペースを省き、定期的な中身の更新に役立ちます。

 家族によって必要なもの

 自分自身では用意ができない子どもや赤ちゃんや高齢者、ペットがそれぞれ必要とするもの。

● 完成後も更新は必要

 かんたんに入手できるものばかりですが、生活を支える幅広いアイテムを揃えるのは、正直なかなか面倒くさいもの。 一気に揃えようとせず、まずは予算を決めたりカテゴリーを絞るなど、少しずつ用意していくのがおすすめです。

 非常持ち出し袋が完成すると「これさえ持って逃げれば何とかなる」という自信と安心感が高まります。 とはいえ油断は禁物、季節物の入れ替えや非常食の交換など、定期的な見直しを欠かさずに更新し続けていくことが大切です。

 執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士

● 必要なものリスト

 ◆避難時に使うもの

  • □リュック(防水仕様だと安心)
  • □持ち出しアイテム一覧のプリント
  • □歩きやすいスニーカー
  • □ヘッドライト
  • □懐中電灯
  • □ホイッスル/防犯ブザー
  • □軍手・革手袋
  • □ヘルメット
  • □雨具(ポンチョ、レインコート)
  • □避難先を書いた紙のメモ
  • □紙のハザードマップ
  • □数歩先を叩く棒きれ/傘

 ◆応急手当用の救急セット

  • □消毒薬
  • □脱脂綿
  • □ガーゼ
  • □絆創膏
  • □包帯
  • □三角巾
  • □毛抜き
  • □万能ナイフ

 ◆必需品

  • □常備薬・持病薬・おくすり手帳
  • □生理用品
  • □メガネ
  • □コンタクトレンズ
  • □マスク
  • □体温計
  • □消毒ジェルなど

 ◆貴重品

  • □身に付けられる入れ物(サコッシュやポーチ)
  • □現金(小銭を多めに)
  • □大切な人のプリント写真(裏に名前・連絡先を書く)
  • □緊急連絡先
  • □もし余裕があれば持ち出したい貴重品の一覧(書類、宝石など)

 ◎重要書類コピー

  • □免許証
  • □マイナンバーカード
  • □健康保険証
  • □通帳の表紙
  • □クレジットカード券面
  • □パスポート
  • □加入保険の証書や契約書
  • □年金手帳

 ◆情報収集ツール

  • □スマホの充電ケーブル
  • □モバイルバッテリー(電池式が良い)
  • □乾電池
  • □携帯ラジオ(手回し発電機能があると◎)
  • □ラジオ用の有線イヤホン
  • □電源タップ
  • □ノート
  • □筆記用具
  • □大切な人たちの連絡先メモ

 ◆水と食料

  • □水
  • □非常食

 ◆避難生活を支えるもの

◎睡眠をサポートするもの

  • □フロアマット
  • □枕
  • □アイマスク
  • □耳栓
  • □アルミシート(羽織る、敷く、かける)

◎衛生面・健康をサポートするもの

  • □非常用トイレ
  • □トイレットペーパー(水に溶けるのでティッシュより◎)
  • □洗面具
  • □歯ブラシ
  • □口腔ケア用品
  • □ウエットシート
  • □ボディシート
  • □ビタミン剤
  • □基礎化粧品(オールインワンタイプ)
  • □タオル

◎食生活をサポートするもの

  • □水筒
  • □食器

◎快適な生活環境をサポートするもの

  • □布ガムテープ
  • □スリッパ(冷たい床対策)
  • □レジャーシート
  • □ビニール袋
  • □ゴミ袋
  • □薄手のストール/ブランケット
  • □着替え
  • □キャップ
  • □タオル
  • □給水袋
  • □ランタン
  • □本など(電気なしで時間を潰せるもの)

● 真夏もしくは真冬に使うもの

◎冬用

  • □カイロ
  • □保湿クリーム
  • □防寒具(厚手の靴下、ニット帽、手袋、ウインドブレーカー)

◎夏用

  • □アイスパック
  • □汗拭きシート
  • □塩タブレット
  • □虫除けスプレー
  • □日焼け止め

● 家族によって必要なもの

◎赤ちゃん

  • □母子健康手帳
  • □ミルク(液体タイプがベター)
  • □哺乳瓶・マグ
  • □ベビーフード
  • □ベビー用食器
  • □おしりふき
  • □おむつ/使用後のおむつ入れ
  • □ガーゼ(口腔内や体の清拭に)
  • □授乳ケープ
  • □抱っこ紐
  • □おもちゃ

◎高齢者

  • □老眼鏡
  • □入れ歯
  • □入れ歯洗浄シート(水が不要なもの)
  • □成人用おむつ
  • □折りたたみ杖
  • □補聴器

◎ペット

  • □フード
  • □食器
  • □療法食、薬
  • □ケージ※
  • □予備の首輪
  • □リード(伸びないもの)
  • □ペットシーツ
  • □排泄物の処理用具
  • □トイレ砂などトイレ用品
  • □ブラシ
  • □おもちゃ
  • □飼い主の連絡先、緊急連絡先
  • □ペットの写真
  • □ワクチン接種状況や健康状態、既往症の記録
  • □かかりつけの動物病院の連絡先

 ※ペットを隔離飼育できるケージ等の持ち込みが避難所の受け入れ条件になっている場合があります。 避難所の運営について、お住まいの自治体がペットの受け入れをどのように行っているか、かならず事前に確認しましょう。

この後も情報を整理していきます・・・